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霤は三途の川

あぶれたチラシの絵の
一つずつが旅立つ
噛み砕いた氷は透き通ってた

霤 どこかで

鳴かないことにしたビーバー
海水浴場は 混んでる
道すがら傘を求めて トラックが一息

よろこんでよ 僕は何度となく
迎え撃つ朝を 諦めてきた
いたずらする風も 真に受けて
思い込みながら 教師に会うんだ 変だろう

仏に帰ったんだっけ カルフール
単四の電池をどこで買う
落雷鳴 わきまえてよ
神解けから逃げ飛ぶ 烏も

路傍にもコロイドが輝く
足りないことにしたいのに
頭のシャワーは冷たくて 瓦葺きが泣いてる

赤らむ雲 これからの寒さ
その日の握手を とどめていたい
訴えるような カラスの無言
地球を泳げば 南風にもなれる

枯れかけた空木と 四週半の太陽
明日が底を走る
雨宿り終えて 飛べ 飛べ

赤らむ雲 これからの寒さ
その日の握手を 覚えていたい
訴えるような 科学の都合
地球を泳げば 南風にもなれる

黄泉返り美人

笑い事じゃないでしょう
単純な記号も 間違えてた昨日
世界は間に合ってる
さらさらの血と金 途絶えない川

独の医学も宛にならない 良くできた病
世界は丸くないでしょう
角張ってる時間 転がしてる坂

ぼやきに飽きたら行こう 五時半には帰ろう
つきなみな別れの傍から 振り向いたっていいさ

なにもかもがそこにあった 後ろ姿の涙
良く調べて心だって 治せるんだよ ちょっと待ってて

機械みたいに元気だ
二回だけ笑って どうしようも無いなって
生き物になりたくないみたい
どろどろに解けては 始まるような命

見えないまま描くよ 聴かないまま話すよ
波瀾万丈なメダカも 食欲がいいぜ

生き返られる漫画みたいに 二人はここに残ろう
ラクダに乗る夕日を追って 蠍達も 泣き咽ぶよ

朝が来た 瞬時に来た のんびりしたいと思えば
さいころは小さく投げて 怖くないように

なにもかもが遅かった さようなら
良く調べて心だって 黄泉返っている

表情を触れたって 思い出せたって 水性ペンじゃ書けない
あなたとの笑顔を持って 使い古すよ そっと遠くで
もっと遠くへ

フラクション

曇った空の下 釣られて曇る気持ち
嘘の溜め息吐いて 誤魔化してきた

釣られて出た声を 柄になく気にしてる
着古したシャツは まだ 棄てられなくて

約束の跡 望んでも触れず
言葉なく大きくなる夢の 日陰だけに近づいて
想いながら まだ幼けな僕と 君は誰かと 笑う意味も 分からないまま

見え辛い距離から 柔いガラスの中で
好きですだなんて 都合よく歌ってる

釣り合わそうとして 余計傾く僕だ
目を閉じたまま 誰か来てくれるかな

追われている 逃げ出してきた人は僕と
いつか出会った人に 隠してきた気持ちです
涼しい風 伸ばした短すぎる腕で 繋がって言ってよ ほら ここにいるんだと

いりくんだ世界 つなぎ止めるのは
きっとそんな ありふれた 想いで

追われている 逃げ出してきた人は僕と
いつか出会った人に 隠してきた気持ちです
涼しい風 伸ばした短すぎる腕で
繋がっているよ ほら ここにいるんだよ

笑えたら 曇った空の下でも

根無し草の歌


君の住む街に届かなくて 今 手紙破くようにばらまいた木の葉

少しも休めず 疲れてもない夜
寝返りを打てば 虚しさとぶつかる

おくびょうなホタル
ビルの林に隠れて

輝いてみる 目立たない様に 朝だけ

叶わないような 夢とかでかい戯言
ようやく飛び込んでいった海は 浅い場所
月日はまた断ることもなく僕らを変えるでしょう
歌えないまま 忘れちゃうんだろ 軽はずみな歌も

どこかで覚えた よそゆきの言葉
おとなになるとか 分からなくて 今

浮かれて 疲れて 着替えも無いのに 汚れた季節を

雨の日には薄着で駆け出して
頼みのハンカチまで濡れてしまうような 旅がしたいのさ
このまま 雲のような根無し草になる
そんな僕なら 届く気がする 軽はずみに歌おう

歌を 雨の日も

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